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2016/08/23 M-laboratory活動再開に寄せて〜上村なおかインタビュー

2010年の活動停止後、2016年度活動を再開するM-laboratory。7年の時を経ての再開。参加メンバーである上村なおかに、改めて「M-laboratory」について聞いてみました。

【M-laboratoryについて】

リンゴ企画サタデーナイトホストクラブ「EDEN」(2006年6月)がM-labo初参加の作品。その後、メンバーとしての出演は忘却都市(2007年10月アサヒアートスクエア)が最初かな。そう言えば、出演よりも前に、一度偶然チラシに写り込んだことがある。渋谷のスクランブル交差点で「〜はなぞの〜」のチラシ撮影をしていたところに偶然出会って(笑)。

M-laboが初期の頃は、普通にお客として公演を観に行っていて、そこに自分が入るとは予想もしていなかった(笑)。その時は、男ばかりでスタイリッシュとかそんなのではなく、男臭いムンムンとしたカンパニーだなと思いながら観ていて。この人たちは今より、おじさんになっていくといい感じのカンパニーになっていくんだろうなと思っていました。同年代の男性カンパニーが持っている若さ(青春)とは違って、ムンムンとしていて、熟されたり枯れたりするとすごく面白そうで、何かちょっと変なことを考えている人たちだなと。初期は男性だけのカンパニーだったから、自分は安全圏で「男共がやってるやってる」って観ていただけで、この男たちがおっさんになっていく様を見てみたいと思っていました。

【M-laboratoryの世界観】

三浦さんの作品っていい意味で明るくない、そこが好き。ポジティブな意味で、朽ちていくことや死をちゃんと感じられる。

初期の頃は、アイロニーというか、そういう笑いっぽいシーンが必ずあったりして、その中に死を思わす要素があったかどうか、すごく深く観ていなかったのでわからないけれど、その時は逆に男たちがムンムンしているイメージが強かった。それがどんどん変わって行く様が面白かった。M-laboの世界観、三浦さんの世界観はその時からあったのだろうけれど、そこがぐぐぐぐっとフォーカスされ、具現化されたなと強く感じられたのは「廃憶の日々」。また以前、三浦さんと「おじいちゃんとおばあちゃんのデュオをやろう」となったことがあって。(EDEN)乾ききっているわけではない、いい意味での死や老い、そういう時間とか身体性、そこが三浦さんとのデュオではいつも刺激される。これは、他の人とは生まれない感覚で、だから三浦さんとのデュオはとても好きで、今後も続けていけたらと思っているんです。

​2006年 「EDEN」photo:Sakae Oguma

​2010年 「停止。」 photo:Sakae Oguma

【M-laboratory活動停止、そして再開】

忘却都市をやって、座組として落ち着いたなというところで「え!!」っていう感じ。前触れも何もなく、ある日三浦さんが停止を宣言。「停止」だから今後やるかもしれないし、やらないかもしれない。できるといいなと思っていたけれど、、、60歳ぐらいでまたやるのかなという気もした。

7年の停止期間はあっという間だった。停止の時も点で収まって、再開もまた新たな点が打たれて始まる。その点がここだったんだなという感じ。停止になった時も驚きはしたけれど静かに受け止めた。始まりも予告されているわけではなかったけれど、「ここか」という驚きもありながら静かに受け入れた。そこで起きることをみんなが信頼して受け入れた。「うん。わかった。」っていう感じ。一緒にやろうね、とかではなく、ただ「わかった」。静かな求心力。お祭り的なものではない、三浦さんが持っている静かな求心力。停止も再開も「うん。わかった。」そんな感じ。

【これからのM-laboratory】

停止期間7年をそれぞれが生きてきたということが、停止前と違う。

振りとか踊りとについて、この7年で、よりやりたいことに沿った方法が、さらに確立されてきている気がする。

M-laboのリハは体が痛くなるんだよね(笑)。三浦さんは体の扱いがきれいだから、それを見て自分がするとギャップが生まれる。なんかヒョイっとしてるのに。自分がやったらそうはいかない(笑)。何でかなと思いながら。

何を振付と呼ぶのか、そういったところから立ち上げていけるのかなと、それがまた楽しみ。静かに始まっていくのかなぁ。

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