「いなくなる動物」東京公演
岡山・沖縄・東京3都市巡回公演、最終地となる東京公演の会場は、M-laboratory活動再開公演「Moratorium end」が上演されたテルプシコール。
岡山のホワイトボックス、沖縄のブラックボックスに続き、テルプシコールは巨大なコンクリートの壁を背後に背負うこととなる。
前2都市を含む集大成とも言える東京公演では、コンクリートの壁を壁画へと変化させるような空間作りとなる。壁画の中に生まれる「いなくなる動物」は、その重厚な空間性と3都市を旅してきた時間性から、繊細な深みと静かな力強さを併せ持つものとなる。
「いなくなる動物」とは何のことか。それを目撃した多くの観客に「生きるもの」への再考がもたらされた。
「いなくなる動物」が、いなくなることはない。
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「2016年7月。アイスランドで一頭のホッキョクグマが射殺された。」
その記事に出会っていなかったら「いなくなる動物」という作品は生まれませんでした。
あるいは、この作品がなければ、今日という日にテルプシコールで皆様とお会いすることもなかっただろうと思います。
遠い異国の地で起きた出来事が巡り巡って、この場所でのひと時を生み出しているのだと思うと、つくづく事象の因果系列は予測できないものだと感じます。
しかし、こういった事象の連鎖は自然現象や地球環境といった視点で見れば、ごく当たり前のことなのかも知れません。
道端に投げたプラスチックが、深海を泳ぐ生き物を殺すように。
些細な一つの出来事が、結果として想像もしていなかったようなことを起こす。
この世界はそのような事象で満ちているように思います。
そしてヒトもまた、その連鎖の環の一部を成しているのだということを、一頭のホッキョクグマの死が示唆しています。
私はホッキョクグマの飢えたからだを、
漂流に伴う疲労と落命の瞬間を、
私のからだで想像する。
三浦宏之
(東京公演パンフレット挨拶より抜粋)
日時 2018年11月10日(土)19時
11月11日(日)14時・18時
会場 テルプシコール(中野区中野3-49-15-1F)
作・構成・振付・出演 三浦宏之
出演・振付 上村なおか
楽曲 三浦宏之
照明 古矢涼子
舞台 武内浩一
制作協力 兼盛雅幸
照明協力 丸山武彦
撮影 小熊栄
制作 Works-M 田中麻美
主催 M-laboratory
協力 いと 岩崎真理 江原知佐 大串京子 小熊早千香 小黒将年 川名俊生
ギサブキリコ きなこ&むぎ&ボギー&ぴー 木原由実 鯨井謙太郒
神山純 國場ちゃん 小暮香帆 知花幸美 土屋望 豊田剛基 丹羽洋子
野口友紀 藤澤智徳 藤田規子 吉福敦子 吉本博子
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