古典と現代、ダンスと演劇、美術と音楽の融合による新たなComprehensive art
2020年に起きた新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界の日常はすっかり一変してしまった。国境は封鎖され、さらに、移動と外出を制限されることで意識は孤立化し、身体の距離が遠のくことで感覚は潔癖化する。そして、表情は一枚の布に覆われて不可視となった。それらは個人の生命維持を目的としつつ、人間の生存へ向けた大変革という形を伴いながら、少しずつ私たちの日常を侵食してゆく。そのような時代を、今、私たちは生きている。
パンデミック以前となる2019年より創作が始まったM-laboratory新作「DAWNORDUSK」は、広義の意味において「現在の日本を再考する」ということをテーマに据えて進められていたが、その創作の最中2020年3月に新型コロナウイルスによるパンデミックがアナウンスされた。以降、国内緊急事態宣言などの影響も受けて、激動する世界の情勢と同様に、作品も大きく変貌を遂げることとなった。本作で語るべきことの中心は、決して「現在の日本」ではなく「今」の「ここ」という個人の視点にこそあるのだと。
「今」の「ここ」とは、生きている人すべてが個的に持ち得る感覚概念である。ひとつのからだには、それぞれに「今」と「ここ」が与えられている。
それら無数のからだが集まることによって、初めて一つの国というものは構成され得る。さらにはそれらの集合によって、この世界は構成されている。その根幹とも言える「今」と「ここ」という唯一無二の瞬間を、舞台作品を通じて観客と共有してゆくということが、本作創作の第一義目的となった。
私の「今」の「ここ」と、あなたの「今」の「ここ」が共有されること。
世界の日常にどれだけ大きな変革が起ころうとも、それをなくしては人の未来は描くことはできないのではないだろうか。
「DAWNORDUSK」は、あなたとともに、今ここにある。
※3月18日に発令された宮城県・仙台市 緊急事態宣言を受けて、本公演は中止となりました。
M-laboratory 最新作
DAWNORDUSK(2020年9月東京初演)
仙台公演
作・構成・振付・美術・出演
三浦宏之
出演・振付
上村なおか
田中麻美
野口友紀
宮脇有紀
山科達生
日時 2021年3月27日(土)14:00 / 19:00☆
3月28日(日)16:00
※受付は開演の30分前、開場は開演の15分前より開始いたします。
☆「DAWNORDUSK」アフタートーク開催 仙台出身のオイリュトミスト・ダンサー 鯨井謙太郒氏をゲストに 27 日(土)19 時公演終了後、アフタートークを開催します。
会場 せんだい演劇工房 10-BOX (仙台市若林区卸町 2 丁目 12-9)
料金 一般前売 3000円 / 当日 3500円
U22前売 2500円 / 当日 3000円
U15前売 1500円 / 当日 2000円
予約・問合せ
M-laboratory
tel 042-316-6103 fax 042-316-6102
web予約フォームでの予約申込はこちら
照明プラン 丸山武彦
照明オペレーション 佐藤新(株式会社東北共立)
音響 鯨井謙太郒
舞台装置 堀進太郎
楽曲 角田寛生 三浦宏之
助成 公益財団法人仙台市市民文化事業団
後援 河北新報社
制作協力 KENTARO KUJIRAI コンペイトウ mondenkind
協力 zeropoint
制作 Re-production of performing arts Works-M
主催 M-laboratory
(ご来場の皆様へ)
新型コロナウィルス感染拡大防止の為、ご来場・観劇の際にはマスクの着用をお願いします。また、入場に際しては備え付けの消毒液にて手指の消毒と非接触型体温計による体温の測定をさせていただき、37.5℃以上の方は入場をお断りさせていただく場合がございます。会場内での距離の確保等については、主催者・スタッフの指示に従ってくださいますようお願い致します。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止措置の一つとして、氏名とご連絡先のご提供をお願いしております。いただきました個人情報は、必要が生じた場合に保健所等に提出する場合がございます。あわせて、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、公演の日程や内容が変更となる場合があります。予めご了承ください。
皆さまに安心して公演をお楽しみいただくため、ご協力のほど何卒よろしくお願い致します。
ご来場の前には、せんだい演劇工房 10-BOX HP の「新型コロナウイルスの感染拡大防止のためのお知らせとお願い」も併せてご覧ください。
出演者プロフィール
三浦宏之 Hiroyuki Miura
M-laboratory 主宰・Works-M アートディレクター・作家・振付家
1993年土方巽記念アスベスト館にて舞踏を始める。以降これまでに振付家および実演家として欧州、アジア、北米、南米、計21ヶ国45都市以上での公演に参加。 1999年ダンスカンパニーM-laboratoryを結成。これまでに30作品を製作し国内外で上演。 2002年よりソロワークを開始しアジアを中心に国内外で上演、作品製作、ワークショップ活動を行う。2010年よりアートユニットWorks-Mを開始。これまでに10作品を製作し、東京・横浜・秋田・京都・神戸・岡山・福岡・沖縄で発表。振付作品以外にも「身体」をモチーフとした現代美術インスタレーションやビデオインスタレーション作品を発表している。 近作は2016年横浜ダンスコレクションアジアセレクションにて上演された「クオリアの庭 Garden of qualia」2018年に国内3都市で上演された「いなくなる動物」等がある。美術家としての活動では2013年奈義町現代美術館をはじめ、3会場を巡回したミクストメディア作品「在 / 不在」、2020年に東京で開催された個展「語る末端」などがある。2020年、著作「こぼれおちるからだたち」を刊行。
横浜ダンスコレクションRソロ×デュオコンペティションナショナル協議員賞受賞。東京コンペ#2優秀賞受賞。
三浦宏之オフィシャルウェブサイト
上村なおか Naoka Uemura
金沢市生まれ。幼少よりバレエを始める。
木佐貫邦子にダンスを、笠井叡にダンスとオイリュトミーを師事し、作品にも多数出演。
「ひとつの身体」の可能性を探るべく'95年より自作ソロダンスを開始。
「身体の発見と冒険」をキーワードに様々なジャンルのアーティストとの協働作業やワークショップ、振付、共作、客演も積極的に行っている。
近年では<笠井瑞丈×上村なおか>としても継続的に活動中。
第36回舞踊批評家協会新人賞受賞。
桜美林大学芸術文化学群講師。
photo : Masatoshi Kaga
田中麻美 Asami Tanaka
合唱をきっかけにダンスに出会う。これまでに三浦宏之作品「あいまに」やWorks-Mの作品等に出演。'14年からは短編ソロを主に作品制作を開始し発表。
'16年〜'17年ダンスユニットHenry・C・Mullerに参加。'16年からはWorks-Mの制作としても活動を始める。
'19年に「snkt」を開始。様々なところに存在する隙間に興味がある。
「今ここにいる」ことを大切に踊る。
野口友紀 Yuki Noguchi
1989年、岡山県生まれ。三浦宏之の主宰するメンバーシップカリキュラムM・L・I M-Lab Instituteへの参加をきっかけに、2016年よりコンテンポラリーダンスを始める。これまでに三浦宏之振付作品への出演のほか、岡山と神戸でそれぞれソロ作品を上演。2019年に東京へ移り、自らと向き合い続けることを課題に、ソロ活動を行なっている。
photo : junpei iwamoto
宮脇有紀 Yuki Miyawaki
幼少時よりクラシックバレエを始める。16歳でオーストラリアにバレエ留学。
帰国後、日本女子体育大学に入学し、在学中、太田ゆかり、じゅんじゅん、上野天志などの作品に出演。
企業に就職した後、国内ダンス留学@神戸6期に参加し、自身の作品『Accord』を発表。修了後、ダンサーとして鈴木ユキオ、岩渕貞太などの作品に出演。
自身の創作活動では”パブリックスペースでのカラダの記憶と気づき”にフォーカスし、ソロ作品を発表している。
photo : camerina
山科達生 Tatsuo Yamashina
野球を続ける中で身体操作に興味を持ち、游魚に踊りを師事。
2019年、M・O・W M-Lab Open class & Workshop三浦宏之定期クラスに開講より参加。
2019年11月よりWorks-Mのプロダクションマネジメントを開始。
2020年4月よりM-laboratoryメンバー。