Hiroyuki Miura solo exhibition
Works-M Vol.11 語る末端
The end is talking.
本作は国内緊急事態宣言下にあった2020年4月より、三浦宏之個人によってネット上に発表されてきた40編を超えるショートムービーに、未発表の映像を加えて空間へと構成展示されるビデオインスタレーション作品として発表されました
「インターネットにおける仮想空間から
実空間へと作品を再構成させることにより、
現代に生きる人間の
身体性の虚実というものに
近づくことができるのではないだろうか。」
三浦宏之
2020年 Works-M Vol.11「語る末端」展示風景 @ギャルリー・ジュイエ
Creation note
末端の語りを
聞くことができるだろうか
あなたは
それを理解することはできないかもしれない
なぜなら
時間の流れ方が異なるから
あなたはそれを理解できない
理解は求めていない
聞くことができるかどうか
大切なものは
そこにある
あるいは
時間の流れ方を変えることができるのであれば
理解できるのかもしれない
世界をつくる無数の末端は
語っている
理解を超えて
時を超えて
あなたに向けて
あなたは聞くことができるだろうか
聞くことが、できるか
(作品テキストより抜粋)
Hiroyuki Miura solo exhibition
Works-M Vol.11「 語る末端」(ビデオインスタレーション作品)
会期 2020年8月7日(金)〜11日(火)
会場 Galerie JUILLET(ギャルリー・ジュイエ)
杉並区高円寺北3-41-10 メゾンジュイエ1F
【同時展示】
Works-M Vol.5「在 / 不在」(美術インスタレーション作品)
Works-M Vol.5「在 / 不在」(2013年)photo:Sakae Oguma
例えば身体について何かを語ろうとする、
しかし語れば語るほど身体はそれをする者から遠のいて行く。
身体について語ろうとする身体、
というパラドクスがそこには生まれている。
身体は常に流動的な現象の表出であり、
そもそもはそれを捉える事自体が非常に困難である。
近づこうとすれば遠のき、
捉えようとすれば指の隙間から流れ落ちる。
身体はいつも決定的な欠落感を伴ってそこにある。
我々は記憶と記録で何とかそれを補おうとするのだが、
結局は身体の不在という不可避の事態を前に言葉は失われる。
ただ、そこに身体がある。
それ以上何を語れというのか。
(素材)
アルミ、木炭、新聞紙、メトロノーム、
ドライフラワー、花瓶、ビデオプロジェクション、椅子、
音楽<コルトベルク変奏曲BWVアリア・J.S バッハ>、
身体< 菊沢将憲 田中麻美 西井裕美 山科達生 >
初展示 2013年
前回展示時のアーカイブはこちら
2020年 Works-M Vol.5「在 / 不在」展示風景 @ギャルリー・ジュイエ
三浦宏之 プロフィール
M-laboratory 主宰・Works-M アートディレクター・作家・振付家
1993年土方巽記念アスベスト館にて舞踏を始める。以降これまでに振付家および実演家として欧州、アジア、北米、南米、計21ヶ国45都市以上での公演に参加。 1999年ダンスカンパニーM-laboratoryを結成。これまでに作品を製作し国内外で上演。 2002年よりソロワークを開始しアジアを中心に国内外で上演、作品製作、ワークショップ活動を行う。
2010年よりアートユニットWorks-Mを開始。これまでに28作品を製作し、東京・横浜・秋田・ 京都・神戸・岡山・福岡・沖縄で発表。振付作品以外にも「身体」をモチーフとした現代美術インスタレーションやビデオインスタレーション作品を発表している。 近作は2016年横浜ダンスコレクションアジアセレクションにて上演された「クオリアの庭 Garden of qualia」2018年に国内3都市で上演された「いなくなる動物」2019年に東京で上演された「あなたがいない世界」などがある。
横浜ダンスコレクションRソロ×デュオコンペティションナショナル協議員賞受賞。
東京コンペ#2優秀賞受賞。
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